中学校では今年から、小学校では昨年から評価の観点が変わりました。これまでの4観点から3観点へと変更されることになりました。詳細で確実な内容は学習指導要領やその解説に記載してあり、それを参考に具体化していったものが「通知表」となり、子どもや保護者の目に触れるものになります。ただ、各学校や教員は、その内容をどのように子どもや保護者に伝えるのか、ある意味で「翻訳」に近いことをすることになります。ざっくりと大枠をまとめてみました。私自身も何度も指導要領などを読み直して、さらに正確で深い理解をしていきたいと考えています。
3観点の分け方
従来の分け方から大きく変わったのが観点です。これまでも観点別評価がされていましたが、教科によってその分け方が異なっていました。ほぼすべての教科が4観点による評価でありながら国語だけ5観点という違いもありました。それが新しい評価の観点では3つになっています。
この3つの観点はそれぞれ、「知識・技能」「思考力・表現力・判断力」「主体的に学習に取り組む態度」となります。 大まかには、「知識・技能」 は、その教科で学ぶことをどれくらい知っているか、どれくらいできるようになったか、 「思考力・表現力・判断力」は、習った内容を使って、どのようなことをできたか(工夫をしているか)、「主体的に学習に取り組む態度」は、粘り強く、試行錯誤しながら学習に取り組めたかをみていると捉えることができます。
それぞれの評価の方法にも様々な方法があります。 「知識・技能」 は、 習った内容ができるか、という意味で、ある意味「分かりやすい」面があると思います。 対して、「思考力・表現力・判断力」 については、実際に問題を解いてみたり、作品を作ってみたりと、多様な評価方法が考えられますが、図工や音楽の鑑賞などでは、「ことばにして自分の考えたことを表現する力」も求められているようにも捉えられます。この意味で、「できるけれど、書かない・話さない」子どもは評価が難しくなります。言葉の力も高めたいものです。最後の「主体的に学習に取り組む態度」は粘り強く、試行錯誤しているかが評価の対象となるため、振り返りや単元の中での子どもの変容を注意深く見ることになります。
評価が厳しくなった?
新しい評価基準で成績が下がった、Aが付きにくくなった、と聞くことがあります。また、中学校での施行が今年度からということもあり、以下のような記事も見られます。
結論から言うと、「評価を厳しくしましょう」という内容は盛り込まれていません。ただ、指導と評価の一体化や評価基準を明確にしようとする流れがあります。慣習として行っていた評価が見直される過程で、評価が厳しくなったように感じられることがあるかもしれません。また、3観点での評価となったため5段階評価の付け方も変わっています。そのような変化もあることを教員は理解し、子どもや保護者にも説明をできればと思います。
評価に関しては以下のような内容も書いています。