「学校現場の声を生かした予算づくり」という本をみました。教育学部を卒業して、学校現場で働いていても本当の意味での学校の財政的な仕組みは十分理解できているとは言いにくいです。法制上の分類なども考えるきっかけになる本でした。
学校予算の仕組み
学校では毎年一度予算委員会が行われ、教科主任や校務の主任、管理職と事務職員で来年度の予算を考えています。あまりこだわりを持たなければ「例年通り」や「予算があるのなら〇〇が欲しいなあ」くらいの気持ちで臨んでしまうことも多いです。
ただ、予算の仕組みや原則を考えるとそれはあまり良い結果を生まないということがわかりました。まず第一に、「例年通り」を安易に踏襲してしまうと予算が硬直してしまい、柔軟な対応をするのが難しくなることです。こうなってしまうと、近年でいうとコロナウイルス対応のような予測が難しい状況への対応ができません。もう一点、予算が全体のバランスをとりながら行う「綱引き」のような側面もあるというてんがあります。全部の担当が予算が十分な状況を想定して、必要なものの購入を計上している場合、財政を司る会でその重要度や緊急性を加味して購入するものを決めることができます。担当が十分に必要なものを計上していない場合、多くのものを希望している教科や分掌への配分が多くなってしまい、いびつな予算構成になってしまいます。
私費と公費
学校で購入するもののなかには、学校が子どもに向けて購入して用意する教材や備品と、各家庭に用意してもらう教材があります。特に公立の義務教育の場合、原則は無償となるわけですが、その無償の範囲はどこまでなのか普段は考えることがありませんでした。
一般的に、子ども個人が使うものは私費に、みんなで使うものは公費になります。ただ、この分類も学校や地域での考え方で若干異なるようで、その場所やその時にあった区分やとらえ方が必要になります。