2022年5月4日に山陰ギターコンクールの中級の部に出場しました。残念ながら受賞することはできませんでしたが、自分も演奏して、他の方の演奏を1日聴いて、今後につながる気づきがありました。この記事では自分の演奏について書いていきます。
メカニック・技術的な基礎
演奏を終えて一番に感じたことは技術面の不足でした。難所はずっと克服できていないですし、和音が全てなりきってもいませんでした。「音楽」として聴いている人にも楽しんでもらえる演奏にはなっていなかったと思います。
会場への移動中に、村治奏一さんと大萩康司さんの演奏するロンドアラサンバを聴きました。全てが…ではないですが、自分がこんな感じで演奏したいなと思うようなフレーズがたくさんありました。
「やりたいのにできない」というところが多くありました。ロンドアラサンバに関しては1年以上弾いている曲なのに技術的にまだ演奏できていないということは、そもそもの技術的な基礎が十分ではないのだろうと感じました。
演奏しているときにも、「ちゃんと音が出るか」「運指が間に合うか」といったことが頭の中の一部を占めている状態だったので、表現について考える余地が少なかったと思います。
会場での演奏の前に
演奏順が早かったこともあり、本番前に会場の様子を見る時間的な余裕はほとんどありませんでした。会場の周りを歩いてみたり、客席に座ってみたりすることで本番のイメージをもっと持って演奏に臨めたかと感じました。
初めての会場で、リハーサルもしていない状態であったため、環境としてはアウェーのようなものでした。本番前のルーティンというか、演奏前にできる「自分が演奏しやすくなる工夫」を考えていきたいと感じました。
ちなみに当日は下のような感じでした。
当日朝出発→受付1時間前会場着→受付時間まで外で待機→受付後楽屋で練習・待機(40分ほど)→本番
例えば、外で待機している間に会場の周りを歩いて、ホールの大きさを考えたり、爪を削ったり、客席の様子を公式サイトなどで確認してイメージを湧かせるといったことができたように思います。
様々な資格試験を受けるときには、本番でのパフォーマンスはこれまでの積み重ねによるものだと考えています。そのため当日は勉強はあまりせず、簡単な確認だけをして臨んでいます。ただ、音楽の発表となると自分の認識を変えていこうと思いました。
録音CD
なお、山陰ギターコンクールでは録音が禁止されていました。ただ、主催者側が録音をしてくれているため、希望すると録音CDを購入することができます。後から自分の演奏を振り返るのに役立ちそうです。
結果と講評について
結果は残念ながら受賞はなりませんでした。自分の出場した中級の部の他の方の演奏をすべて聴くことはできませんでしたが、受賞された方の演奏はすべて聴くことができました。
1位だった方は、偶然にもバーデンジャズ組曲の1番「シンプリシタス」を演奏していました。音色がとても綺麗で、演奏に弾き込まれるようで圧巻でした。他の受賞者の演奏も丁寧で音楽を奏でているということがよくわかりました。
講評では中級の部では曲の難易度よりも音楽を豊かに表現することが重要だったという話を聞きました。実際、マリア・ルイサを弾くときとロンドアラサンバを弾くときで、頭の中で考えていることは全然異なります。
教育や心理学の分野でワーキングメモリという言葉があります。何かの作業に集中するときに考えることのできる容量のことです。演奏中に考えることは完全に集中できている状態には、「技術+表現+聴衆・会場(自分を含めて)」かと個人的には考えていますが、技術に多くの容量が割かれるとその他のことまで頭が回りません。
やはり音楽を楽しむ意味でも基礎練習と技術の向上が必要だと感じました。