今更ですが、クラシックギターのギタリストが主人公の「マチネの終わりに」の映画と小説を見ました。個人的にはすごく好きな作品で、普段読んだり観たりしない小説や映画への興味が湧きました。幸福の硬貨も演奏してみたいと思いました。
映画版
冬休みに時間ができたということで、まずは映画版の「マチネの終わりに」を観ました。Amazon Price VideoでもNetflixでも観ることができました。
福山雅治さんは格好いいし、劇中に出てくる様々なクラシックギターの曲も知っているものも多く、それだけでも楽しめました。何回かしか会ったことのない相手でもずっと好きでいるっていいなあと思いながら観ました。
気になる曲が何曲もあったので、すぐにサウンドトラックを調べてみました。こちらもAmazon Prime Musicで聴くことができました。便利なものです…。ガボット・ショーロがすごく気に入りました。弾いてみたいです。
小説版
すごく面白い作品だったので、小説版も読んでみることにしました。書店で購入。
小説版を読んで驚いたことは、作者の平野啓一郎さんがクラシックギターに詳しいことでした。福田進一さんからクラシックギターのことを教えてもらいながら書かれたとのことでしたが、演奏をする時にクラシックギターに自分の体温が伝わることが楽器の魅力であると書いてあったり、静寂を切り裂くのが音楽という営みであるという話だったりは、自分がクラシックギターを演奏する上でも意識していきたいと感じる内容でした。
また、本編に度々出てくる、未来が過去を変えてしまうという話は、すごく面白いと感じました。自己啓発の本を読んでいると、度々「過去と他人は変えられない」という話がでてきます。対して、この話の中では、未来や現在の主人公や登場人物の行動によって、過去が再定義されることが多々あります。過去のことは事実であり、事象であっても、そこから人間が感じ取る解釈はときとともに変容することがあるのかなと感じながら読みました。