アンサンブルのレッスンを受ける

brown acoustic guitar on floor near wall insider room Classical Guitar/クラシックギター
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大学の友人と演奏している、ギター二重奏『紫陽花』のレッスンを受けました。初めてのアンサンブルでのレッスンでした。ギタリストの松岡滋先生から、50分間で、ソロとは違った楽しみ方や、より深く表現するためのコツを詳しく教えてもらいました。学びの多い時間になりました。

譜読み

イントロの部分の分散和音の連続で、譜読みの間違いがありました。一度慣れてしまっていたため、全く気づいていませんでした。2ndの音と混ざって濁ってしまうから不自然と教えてもらいました。正確に楽譜を読むだけでなく、2ndの音もしっかり聴いて違和感を感じられるようになりたいと思いました。

最後の分散和音も、「ミ」の音だけ開放弦を使っていました。曲な流れ上、運指はこれでよいと思っていましたが、音色や音の強さが異なってしまうので気になっていました。質問をしてみると、これまた2ndの音の中にも入っている音であるため、大丈夫と言われて納得しました。(もちろん、技術的に音が浮かないように練習をします。)

和音進行を考えて表現する

Aメロのメロディーの強弱も、2ndの音を聞きながら表現することが大事だと知りました。2ndがアルペジオで和音を演奏しているため、その和音進行(緊張と弛緩)に合わせて表現を考えると良いそうです。具体的には、Aメロの最初のフレーズ、「ミレミ」の「レ」は、弱く弾いて、ミで解決させます。

自分が気持ちよく弾くという感性だけでなく、理論的にも考えて根拠を持って演奏をしていくと表現に深みが出ると感じました。

掛け合い

2ndは主に和音を演奏して、伴奏のようなイメージのパートです。ただ、部分部分に1stとの掛け合いがあり、二重奏やこの曲の魅力でもあります。そんな掛け合いも聴いていてはっきり分かるような表現をしたいです。

Bメロの後半部分で「ミレミシ」「ラソラミ」の掛け合いがあります。2ndは掛け合いの音だと分かるように演奏、1stはそれを受けて強弱を表現するようにします。Cメロの掛け合いも同様です。

強弱

パート内、パートごとの強弱も教えていただきました。パート内では、和音進行の緊張と弛緩(解決)を受けて考えていく。解決部分に向けて強弱を考えることを教わりました。パートごとでは、Aメロのmpが思った以上に弱いほうが曲としてのメリハリがでると知りました。

音楽記号・楽譜

音楽記号や楽譜の読み方も教わりました。特に曲の終末部分には、ritやフェルマータ、アテンポなどの音楽記号があります。ritでゆっくりになる部分で、dimのように小さくしてしまうと、そこからの表現の幅が狭くなると感じました。ritとdimの記号の違いの意味が分かった気がします。

フェルマータでどこまで伸ばすかは好みの分かれる部分かもしれません。曲の流れの中で変化を感じさせるために、もう少し長くすることを提案していただきました。自分の思っていたものよりもずっと長くても、「いいな」と思える感じになったのが目からウロコでした。ここでしっかり間を取ることで、アテンポになったところの良さもますように感じました。

ハーモニクスの記号も弦の指定がある場合には、人工ハーモニクスと自然ハーモニクスのどちらで演奏するかを判断できると知りました。(そもそも「ラ」が自然ハーモニクスで出ると知りませんでした。。。)

繰り返しの表現

『紫陽花』には多くの繰り返し表現があります。曲として深みや面白みを出すために、繰り返しは表現を変えたいです。これまでは、音色を変える(固くするなど)が主なもので、自分でも幅が狭いと感じていました。今回のレッスンの中でも、強弱記号や和音進行を考えて、ダイナミクスの変化をつける表現方法を教えてもらいました。例えば、Aメロの二回めのフレーズはもっと表現の振れ幅を大きくすることがあります。

全体的な感想など

どんな演奏をしたいか

レッスンのはじめにまず演奏をしてみて、松岡先生に聞いていただきました。大体完成しているがどのような演奏をしたいのかを聞かれました。趣味で演奏をしていると重要な視点だと感じました。曲が弾けると満足なのか、表現まで考えて演奏したいのか、深く掘り下げていくとどこまでも先は長いと感じました。松岡先生は、はじめにそれを聞くことで、レベルやニーズに合わせてレッスンをしてくださいました。

二種類の二重奏

レッスンの途中で二重奏には大きく二種類あると教えていただきました。一つは「曲中の表現をすべてあらかじめ決めておいて演奏する」もの、もう一つは「大まかな表現を決めておき、後はその時の気分で演奏する」ものです。後者のほうが相手の気もちなどによってこちらも演奏が変わるという点で二重奏の面白さがあるそうです。方向性として、自分も後者のような演奏を目指していきたいと感じました。

先生の表現が「絶対」ではない

レッスンの最後に、さまざまな表現方法や解釈を伝えたが、これは松岡先生の志向が入っていて、それが絶対的なものではなく、二人で試行錯誤しながら表現を考えていってほしいと教えてもらいました。ギタリストの先生に教えてもらうと、無批判にその教えが絶対的な正解と考えてしまいがちです。ただ、内容によっては多様な表現方法の1つであるため、そこから取捨選択できる様になりたいと感じました。

松岡先生

今回レッスンを教えていただいた松岡先生のサイトです。アンサンブルもたくさんされているようで、短時間で内容の濃いレッスンをしていただきました。

今後演奏していける二重奏の曲なども紹介していただき、ギターの世界が大きく広がる内容になりました。ソルの二重奏や先生の作曲した「大山組曲」など、次なる目標が出来ました。

ギタリスト 松岡 滋のページ
ギター弾きの日常はかくありき。
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