同じ学年団の先生が道徳の授業をしたので、そこからの気付きや学びを一緒に考えました。2年生の「ぐみの木と小鳥」という作品で、親切について考えました。
授業の流れ
授業としては、オーソドックスな形で道徳の授業を行いました。
1.自分が親切にされたこと、そのときに自分が感じたことを話す。
2.嵐の中、小鳥はりすのためにグミのみを届けに行くか、というところまで読む。
3.話を整理し、小鳥は行くか行かないか考えて役割演技をする。
4.最後まで話を読み、まとめをする。
5.自分はこれからどうするかについて考える。
授業前の種まき
自分が親切にされたことや、親切のよさについては、授業前、さらにいうと日頃の生活から子どもたちに伝えるようにします。こうすることで、教材の内容に入る前の導入でも多くの具体例が出る上に、今後の学校生活につなげていきやすくなります。道徳の授業と日頃の学校生活をつなげていけるようにします。
机間指導で子どもの意見を拾う
期間指導で、子どもに発言を促したり、授業の中での展開を練ったりします。限られた時間の中で密度の濃い話し合いにできるように、どのような子どもの姿が考えられるのか、それに対してどのように声かをするのかを十分にイメージしておくと、効果的に机間指導をすることができます。
また、子どもの書いている内容を把握していれば、挙手による発表だけでなく、指名して発表することができる場合も考えられます。
役割演技の出だし
今回のように、
「嵐の中でぐみの実を届けに行くか行かないか」
という役割演技をするうえで、
「嵐だけどぐみの実を届けに行くの?」
という質問からはじめるのもよいですが、その一歩前の
「悩んでいるようだけどどうしたの?」
という質問から始める方法もあります。
これにより、行く行かないの二者択一の質問ではなく、より広がりのある役割演技にすることができます。特に低学年だと、「正しい」回答をしがちな面もあるので、広く意見が出るような工夫をすることができます。
視点
役割演技や教材文の読み解きをするときに、読み手の視点を考えておくようにします。
登場人物になりきるのか、神の視点で考えるのか、決めておくことで、授業の中で視点を行き来することがなくなります。子どもにとって教材に入り込みやすくなります。安易に「自分が小鳥の立場だったらどう思う?」などと、視点を変えてしまわないようにします。